探偵言いたい放題

ねらいはなんだ?

 依頼人、A氏(58歳)によれば、今年の3月母親(85歳)が突然入院先で死亡したという。
 この母は高齢ながら非常に元気であったが、糖尿病のため、去年位から地元のA病院に通院していた。しかし、治療方法を巡ってA氏と医師との間でちょっとしたいざこざがあり、病院とあまりしっくりいっていなかったようであった。だが、母の体調はまずまずのようであった。そんなある日、突然、担当医師が隣町のB医院に入院するようにすすめられ、そのまま入院することになった。
 入院して半年後、母の体調はさほど変化もなくまずまずの体調であったが、今度は、B医院の医師が、そのまた隣市のC総合病院に入院するようにすすめられ、今度はC総合病院に入院することになった。
 この病院では、糖尿病では常識に反するような治療法をしだしたのでA氏は「今まで通りの治療法にして下さい」とお願いをしたら、担当医師は憮然とした表情で対応してきたという。
 また、この病院の担当医師を含め看護婦も非常に冷たい対応で時にはにらみつけている時もあったようである。
 そして、なんと驚くことに、今まで元気であった母がC総合病院へ入院してから1ヶ月で亡くなってしまったのである。しかも糖尿と何の関係もない原因であった。なんとも不可解な死亡である。
 この依頼人、A氏はものしずかなおとなしい感じの人で、現在母の亡き後の家に1人で住んでいる。去年までは、東京に住んでいた。
 A氏は言う。「近所の人達はとても冷たい。目つきも悪く、思えば、母がたらい回しされた病院の医師や看護婦も同じようであった」と…
 調査をすすめていくといくつかの事実が浮かんできた。
 A氏が言った。「そういえば、母の葬式の時、たまたま話しの中で、近所の人が私しか知らない事を話しているのを聞いたことがあり不思議であった。」と言う。そして「そういえば以前、裏の電柱に登って何か取付けている作業員がいた」。まさかと思い、裏の電柱を確かめてみるとNTTのブラックボックスがある電柱であった。これはと思い、盗聴器の調査をしてみるとやはり電話盗聴されていた。
 本人は、まったく心当たりがないという。確かに話しを聞いている限りそうである。
 そして、新たな事実が浮かび上がってきた。母が行った、A病院、B医院、C総合病院のそれぞれの担当医師は全て顔見知りであった。更に、道を挟んだ前の家は近所の町長と仲がよく、また、ここの主人は盗聴の名人という噂があることがわかった。
 依頼人A氏の家の周辺地図をよく見ると、A氏の家がなければ非常に広い敷地となり、調べるうちにここに公園を造る計画があったことも分かってきた。
 この段階でA氏を取り巻く構図が見えてきたように思うが、これが(我々が推理していること)本当だとしたらとんでもない事がおこっていることになる。しかし、確信たる事実、証拠がなければなにもならない。敵は大きい………
 現在、緻密な調査戦術によって調査中である。