探偵言いたい放題

警部補「村田」登場!

 依頼人は妹のことを心配する52歳の男性であった。内容は妹の旦那の浮気である。「とにかく妹が悩んでいるのでお願いします。証拠をつかんでください。」という一般的な浮気調査であった。
 妹の旦那である被調査人(A氏)は、市役所に勤務する50歳で、バーコードヘヤーの総務課長という典型的な公務員である。
 早速、A氏を調べたところ市役所から車で10分位のところにあるアパートで一人暮らしをしている韓国人女性(韓子)28歳が浮気相手であることが判った。
 韓子は、A氏の市役所と同じ市内にある外国人パブに勤めていた。
 これも典型的なパターンである。日本人女性に比べると、とにかく尽くしてくれる外国人女性は、特にこのような日本人女性には相手にされにくいバーコードヘヤータイプのおやじは、夢を見てしまうようである。しかしながらA氏のようなおやじ層は家族のために働き、家では邪魔扱いされ…ほんと同情してしまう。夢を見るのも分かる気がしないでもないが…
 これらの事実を依頼人へ報告すると依頼人は「この女の勤めているお店についてもっと詳しく調べてほしい」と要求してきた。やはり、旦那が公務員ということもあり非常に心配なので調べたいとのことである。
 その後、韓子の勤める店について調査を開始した。するとやはり色々な裏事情が判明してきた。
 この店は、中国、韓国、台湾の外国人専門のパブであり、売春の事実、更には、覚せい剤に関する情報まで浮上してきた。
 私は、嫌であった。売春などは、このような店では、ごく当たり前な情報であるが、覚せい剤となると厄介である。何故ならば、警察が絡んでくるからである。我々営利企業にとっては、警察と絡むと時間のロスが大きく、更には、面倒くさいのである。
 そんな中、現場付近をうろついていると嫌な物を見てしまった。
 刑事である。K警察署の刑事2名が現場で張っていたのである。これは本当に厄介になるぞ。関わらないうちに「帰~えろ」とした直後、ある男とバッタリ会ってしまった。K警察暑のキレ者警部補“村田刑事”であった。「ついてねぇ~」
 この刑事は、私の知っている警視正の以前の部下であり、何度か顔を会わせたことがあった。しかし、私は気づかぬふりをして通り過ぎようとした時、
 「よっ。久しぶり」と様子を伺うように声をかけられた。私もすかさず切り返した。「何してるの。こんなところで」。
 村田刑事と会うのは、1年ぶり位であった。相当キレ者の刑事であるとは聞いていたが、随分、目付きが鋭くなり、風格が感じられた。そんなことを考えながらふとあることを思い出し、頭に電撃が走った。
 「そうだ、この刑事現れるところ逮捕近し」ということを思い出した。
 すると、村田刑事は、「ちょっと話しましょうか?名誉探偵イッちゃん」
 やはり、私のことは全てお見通しか、しょうがないと思い話すことにした。
 話しをしてみるとやはり売春容疑でパクリ、覚せい剤の事実関係の調査をしたいようであった。つまり売春は別件逮捕、本筋は、覚せい剤のようだ。
 しかし、村田刑事は、一段と鋭さを増している。彼と話すと、他の刑事が隙だらけなのがよく分かる。「本当に村田刑事とは関わりたくないものだ。時間が減る。睡眠時間が減る。多くの調査依頼がこなせなくなる。」しかし、その反面このような男と話し関わるのは、本当面白いものだ。「あなたも経験してみる?違った刺激を求めたい方はどうぞ!!」
 村田刑事との話しの中で、大体のガサ入れ、逮捕の期日を推測することができた。「逮捕の日、尚近し」おそらく、2~3日中の逮捕であろう。
 となると、バーコードの愛人、韓子の家のガサも近いはず。早く本依頼を終了させなければ、警察のただ働きをしなければならなくなってします。なかんずく、村田刑事…こりゃ面倒だ!
 依頼人に売春パブの情報を伝へ、このパブと韓子のアパートには、絶対行かせないようにして早く別れさすことを勧めた。依頼人も納得し、「早急に対処します。有難うございました」と依頼契約は終了した。
 2日後、夕方のニュースを見ていると、韓子のパブが売春の容疑でガサが入り、経営者と外国人5名が売春の容疑で逮捕された。
 間一髪であった。もし、この逮捕現場で何も知らずにバーコードの浮気調査をしていたら…調査上、店に入り込んでいたら…「ぞぉぉぉ~~~”””」
 しかし、村田刑事は手ごわい男だ。そして、バーコードと韓子の行方は……